Re: X8341-3の第6 章「全般的要件」について
- To: web@xxxxxxxxxxxxxxxxx
- Subject: Re: X8341-3の第6 章「全般的要件」について
- From: d/f <df@xxxxxxxxxxxxxxxxxx>
- Date: Tue, 17 Aug 2004 04:22:13 +0900
ふかがわです。
>伊藤さん
はじめまして。
> >個人的に、LDやADHD、高機能自閉症など発達障害と呼ばれる課題を
>>抱えた子供たちと接する機会が多いのですが、本当に、「目からうろこ」
>>というか、新しい気づきを与えてくれることがたくさんあります。
>
>私が指摘したい部分は「ここ」なんです。実際の利用者を前にして
>どこまで対応できるのかという視点を持つ必要があるのです。とかく
>技術者は理論的にものごとを考え、妥当な点を見い出そうとして
>結局あたりさわりのないものを作ってしまいがちだと思います。
>知識やデータベース、標準値などのような仮想の利用者ではなく、
>本当の障害を持つ技術者では無い利用者に対して、面と向かって
>ユーザビリティ(単なるアクセシビリティではなく)の良いものを
>提供するための努力が必要なのだと思います。それも常に。
>なかなか「常に」接するということは難しい事ではありますが
>努力をすることは必要です。私も20年前から常に接する機会を
>求め続けていますがなかなかできないものです。
全くもっておっしゃる通りだと思います。
私もいろいろ気をつけている部分ではありますが、
耳が痛い部分もあり、本当に難しいですよね。。。
でも、先の地図のところでも少し書いたのですが、
アクセシビリティが広まるためには、まず導入の敷居を低くする、
もっと認知される、などが必要ではないかと思ったりしています。
# なお、先の地図の際、アクセシビリティ云々について
あまり書いてませんが、一連の中で話題になっている
あらゆる障害者、ということを考えれば、車イスの人用に
もっとも駅から段差のない経路を掲示するとか、
写真のアングルもそれ用に必要かなぁと思います。
視覚障害の方のためには、もっとも安全で歩きやすい経路を
掲示したり、もしかすると音があった方がよいかもしれません。
でも、そこまではやるのは、わかってても難しいのでは
ないでしょうか(膨大な量になりますし...)。
そのためには、「最低限必要な部分」と「努力する部分」を
可能な限り切り分けて考えていった方がよいのではと思います(^-^;
JISに関しては、「最低限必要な部分」という観点で
策定されているのだと思いますが(熟読していなくてすいません)、
それゆえに、意識の高い方々などから不満が出るのだと思います。
でも、実際のウェブサイトを制作している多くは素人であり、
また、数ある制作会社の中でも意識が向いているところは多くないです。
# このMLに参加されている人など全体の一体何%か...
それに、JISに沿ってきちんと意識して作るのは、
意識しないものと同じ時間で出来るものではありません。
# alt属性一つでも悩みますから...
そう考えると、現状のものが難しくないと思ってる方々でも
いざ現場で実践するのは容易ではないわけです。
8<---------------------------------------------------
余談ですが、先の日経デザイン誌の中のコラムで
韓国の昨年のウェブ制作業界事情が書かれてました。
制作費の暴落により崩壊寸前まで陥ったそうです。
グラフィックデザイン業界の話ですが、
アメリカでも似たようなことが起こっていると聞きます。
日本はそこまでいってませんが、それでも現状アクセシビリティに
時間とお金をかけられるクライアントはごく僅か(なはず)です。
# 理解しているかどうかは別です
8<---------------------------------------------------
アクセシブルなウェブサイトが増えるには、
意識の高い人たちだけがやってるのではダメだと思いますし、
最低限のものなら誰でも出来る、というレベルにまで
落とし込む必要があるのではないかと思っています。
# ツールやUAなどの充実も併せて願うのですが...
ですから、私は制作側の人間なので特に知っとくべきだと思ってますし、
また、対応出来る必要があると思っているので勉強もしてますが、
W3Cの仕様に準拠していないサイトでなければアクセシブルでない、
みたいなものは賛成出来かねるものがあります。。。
テーブルを使っていても、知っていればアクセシブルになり得ます。
アクセシブルかどうかはHTML云々以前から考慮する必要がありますし、
そこに敷居を作ってしまうのは、、、と思うわけです。。。
ですから、そのへんに不満をお持ちの方も多いかと思いますが、
私はJISのスタンスは理解できます(意図は違うのかもしれませんが...)。
ただ、ウェブサイトの価値とか、よりアクセシブルなものとか、
関連する様々な要素と併せて考えた時に、テーブルは使わない方がいい、
なんていうのは当然あるわけですし、JISにない部分を考慮する
必要も多々あると思います(というより常に必要ですね...)。
従いまして、JISに関しては、「最低限必要な部分」と
「努力する部分」を可能な限り切り分けて
まずは広い認知と全体の底上げ、という観点で議論した方が
よいのではないかと思うのです。
あくまでも「JISに関して」ですが。。。
それ以外に関しては、、、
制作者として努力と勉強が常に必要ですし、
将来を見据えた技術的な部分も含め検討・模索は必要ですよね。。。
現状すら把握できていない中で将来を考える余裕もあまりないですが...
以下署名--
ふかがわ