Re: X8341-3の第6 章「全般的要件」について



矢沢様、はじめまして 伊藤@長野大学 です。

At 1:57 PM +0900 04.8.16, <yazawas@xxxxxxxxxxxxx> wrote:
>> 利用者には何が必要で、どのような対応が求められているのか、利用者個々への
>> 直接的な支援を積み上げる事が必要なのだと思います。もちろん、時間や手間は
>> 膨大にかかります。しかし、その積み上げがなければ、いつまで経っても仮定する
>> 利用者のためのシステム開発、あるいは声の大きい利用者、システムに精通した
>> 利用者のためのシステム開発から脱却できないのではないかと思います。
>
>上記メールにて伊藤さんからも厳しいご指摘を頂いたとおり、
>今まで、システム開発者側やSE側の論理で作られたシステムが、
>大手を振ってまかり通っている事実は少なからずあると思って
>います。
>
>しかし、数多くなくとも、何人かの開発者は、
>”ユーザの声をフィードバックするうちに”だったり、
>”JISをきっかけに”したりして、
>開発者側がこれまでのスタンスを再検討し、いかにすべての
>利用者にとって、使えて、使いやすいシステムが作れるか
>ということに腐心している最中だと思っています(というより
>「そう信じています」)。

はい、技術者/開発者の中にもそれなりに考えたり、実行されている
個人は沢山いると思いますし、今は社会福祉の教員をしている私も
(元?)技術者ですから。

>追記:
>認知障害に関連して。
>
>個人的に、LDやADHD、高機能自閉症など発達障害と呼ばれる課題を
>抱えた子供たちと接する機会が多いのですが、本当に、「目からうろこ」
>というか、新しい気づきを与えてくれることがたくさんあります。

私が指摘したい部分は「ここ」なんです。実際の利用者を前にして
どこまで対応できるのかという視点を持つ必要があるのです。とかく
技術者は理論的にものごとを考え、妥当な点を見い出そうとして
結局あたりさわりのないものを作ってしまいがちだと思います。
知識やデータベース、標準値などのような仮想の利用者ではなく、
本当の障害を持つ技術者では無い利用者に対して、面と向かって
ユーザビリティ(単なるアクセシビリティではなく)の良いものを
提供するための努力が必要なのだと思います。それも常に。
なかなか「常に」接するということは難しい事ではありますが
努力をすることは必要です。私も20年前から常に接する機会を
求め続けていますがなかなかできないものです。

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  Eiichi ITO, Ph.D 
  ito@xxxxxxxxxxxx
  Nagano University
  www.nagano.ac.jp
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