Re: 認識障碍



 こんばんわ、ふかがわです。

 >横川さん

 はじめまして。

>またウェブ制作の現場では、HTMLの基本的な概念を含めた
>セマンティックウェブの考え方が一般にはまだまだ浸透していないため、
>制作サイドと発注者の話がかみ合わず、
>効果的なアクセシビリティ実装が困難になっているといったような問題もあります。

 セマンティックウェブについては不勉強なこともありますが、
 「セマンティックウェブの考え方」を理解してもらえると
 現状で「効果的なアクセシビリティ実装」が可能になるのでしょうか。

 事例等で結構ですので、よろしければ教えていただけないでしょうか。。。

 ちなみに、私なりのセマンティックウェブに関する認識では、
 メタデータの書き方一つにしても問題を抱えたままであり、
 なおかつアクセシビリティ云々になるには、支援技術とか
 ブラウザ(?)、またはOS、端末レベル(?)での対応なしには
 話にならないのでは、という感じです(突っ込み歓迎です)。

 先に神森さんも

>なので、技術的な実装ばかりに目が映ってしまいがちなアクセシビリティへの対
>応ですが、情報の提供の仕方とか情報そのものの考え方とか

 と書かれておりますが、結局はこれも技術依存だと思いますし、
 例えば端末毎(ユーザー毎)にデータをピックアップ(振り分け)
 出来るとした場合、結局それらに対応する(ユーザーに合わせた)データが
 ないと(あまり)意味がないわけですよね。

 仮にデータ自体が一つでも、ピックアップによって無駄なデータを
 転送しなくてよいとか(?)、メリットはもちろんあるのだとは思いますが、
 そうしたデータを用意できなければ情報の内容自体は同じであり、
 また、データの内容云々は結局制作側の意識レベルや知識の差ですよね。
 
 そして、意識レベルや知識に対する依存が大きいと
 現実的にはなかなか普及は難しいですよね。

 また、CNETの「日本における検索の未来(http://qrl.jp/?u=108127)」
 という対談の中でYahoo! の方が

 「メタデータの先の信頼性はどうなのか、という問題は必ず
  つきまとう話なので」

 とお話しされてますが、検索エンジンに関しては、
 SEO業者が悪用しそうな感じは容易に想像出来ますし、
 検索エンジン抜きに考えても、結局は内容の問題だと思うのです。
 先の例でいえば、必ずしも端末に合った情報が用意されているとも
 限らない、ということになるかと思いますが...

 # 以前にダブリンコアというメタデータ言語を開発している方の
 # セミナーを聴きに行った時も、書き方の問題、検索精度の問題は
 # 話に出ていました

 確かに、制作側としては小細工で対処しなければならないのは
 面倒ですし、不要なところで複雑になるのも避けたいところですので
 そういう面が緩和されるなら大歓迎な技術ですけれど、
 技術云々の前に、世の中にどういう障害の方々がいるとか、
 どうすればそうした人たちに伝わる情報を作れるのか、まずは
 そうした意識レベルでの広い認知と情報が必要ではないでしょうか。

 ちなみに、技術依存には気を付けなければいけないと思いますが、
 セマンティックウェブが理想通りに実現できればよいと思いますし、
 以前にこのMLでも話題になった「skip navigation」のような、
 よりアクセシブルにするためのテクニックは大いに広まるべきだと
 思います。こういうのを考えつく人はすごいですよね。
 大いに見習いたいものです。
 
 ◇

 で、上記のメタデータや情報の内容云々にも関わることですが、
 もう少しだけでも根本的なところがJISに書かれていると
 よいのではないかなぁと思ってます。

 先の勉強会でも少しだけ質問させていただいたところですが、
 例えば文書構造とそれに合わせた一般的な用語の定義、などです。

 結局、テーブルを使わないでCSSで実装しました、という人が増えても、
 文書構造とか言葉遣いとか、アクセスキーなどにしても、
 各自が好き勝手にしていたら、場合によってはかえって邪魔になる場合も
 あるのではと思いますし(やらないよりはやった方がいいと思いますが)、
 制作側、ユーザー側、お互いにすごく損だと思うのです。

 # このへんは、どちらかと言えばユーザビリティ的な話ですが、
 # セットで考えてこそ効果的なものだと思います

 勉強会では教育云々の話もでていましたが、そのへんが一致していれば
 制作側、ユーザー側、どちらへの教育も統一して出来るはずです。
 それってとても根本的な部分の一つだと思うのですが、
 とても有効だと思うのです。

 ただ、当日梅垣さんがおっしゃられていたように、
 JISとして定義出来ない部分はあると思います。

 # 内容に関しては無理でしょうね

 それに、定義できてもごく僅かな部分に留まるのは仕方がないと思います。
 でも、定義をしないまでも、「サンプル」として掲載すれば
 それを読んだ人は「それがいいかなぁ」とは思うのではと思います(笑)。

 なので、鈴木さんも下記のように書かれておりましたが、

>「薔薇」が「薔薇(ばら)」になっていればハッピーですが
>「癇癪」が「かんしゃく」となっていても、意味理解は難しいなど
>意味理解に入ると制作者も大変(一技術者の範囲を超えている/制作マニュアルで
>対応できないなど)ですが、だれか上手い事例集を作ってくれないかしら。

 定義は出来なくても、それに近いものはどんどんサンプルを
 掲載して欲しいなぁと思います。

 でも、それにはJIS関係者や制作側に依存するのではなく
 こういう事情に詳しい方々やユーザー側からの情報が
 不可欠だと思います。

 長文すいません、とりあえずこんなもんでやめとておきます...


以下署名--
 ふかがわ