Re: PDF accessibility



中根です。

> 全盲のみならず、弱視者にとっても文字がよみにくいとかの問題点があります。
> 障害を持っていなくてもファイルが重い!と感じられる方は多いと思います。

 ということで、便乗(?) して、今まで私が聞いたことのある PDFの問題点と
いうのを挙げてみます。

* 処理速度の遅い PCだとちょっと大変
* 携帯型の端末では読めない (e.g. I-Mode, PalmPilot)

 後気になっているのは、弱視や高齢者で視力が衰えてきている人などが文字
の大きさを変えたいと思ったとき、 Acrobat Reader での表示内容というのは
簡単に大きさを変更できるものなのでしょうか。
 それから、 Acrobat Reader というアプリケーションに特価した問題ですが、
肢体不自由の方にとっての操作性はどうなんでしょうか。
 Unix系の OS では他にも PDFを表示できるアプリケーションがありますが、
これらについても操作性などについてご存じの方がいればぜひ教えてください。

> 一方で作成側としては、便利だから普及するという状況があるのかなと思いま
> す。
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> PDFに関する問題点はもちろん、作成する側から、こういう利点があるといっ
> たことをぜひお聞かせいただけたら嬉しいです。

 そうですね。
 書かれているように、普及するには普及するなりの理由があるでしょうから、
その点も理解した上で問題を全体的に考えたいと思います。

> 主観ですが
> 写真を多用したりレイアウトの凝った紙媒体のものをそのままWebでも提供し
> ようとするときにPDFが多く用いられているのではないでしょうか。イラスト
> の多い使用説明書や写真の多いカタログ、PR誌など。

 もともとはやはり印刷物をそのままネットワーク上で見えるようにしたいと
いうのがあった、と聞いたことがあるような気がします。 PDF (page
descriptive format) という名前が示すように、やはり印刷物のページという
概念が重視されているのでしょうね。 (このあたりも調べてみないと・・・。)

> テキストデータを同時に提供するというのが簡単な方法なのでしょうが、上に
> 挙げたようなものはテキストだけ提供しても意味をなさないことも多いでしょ
> うし、HTMLなどで写真やイラストを入れられたとしても手間がかかるとか、本
> 来の印刷物上での表現とは異なってしまうということがあるでしょう。

 まずは、 PDFでは「これができるから便利」というようなことを明確にでき
るとよさそうですね。そうすることで、それぞれの「できること」を他の手段
ではどのように実現できるか/できないか、またそれらにかかるコスト (手間
や時間も含めて) がどのくらいのものなのかということを考えてやる必要があ
りそうですね。

 TCシンポジウムまでにある程度まとめられるといいですが・・・。

中根雅文