Re: 整理と飾り付け



中根です。

On Thu, 27 Jul 2006 18:58:14 +0900,
takaya kamei <takaya-kamei@xxxxxxxxx> wrote:
> 書籍のメタファの認識が一致していないように思います。

そのようですね。

> 見出し、段落、リストでの整理がしっくり来ますし、
> 文書作成で箱書き作業という全体を細かく分けて行き、最小単位が
> 見出し、段落、リストで出来上がるという作成手法が馴染むわけです。

それは一般的には「書籍」ではなくて「文書」というのではないでしょうか。
「書籍」というのは、文書を乗せる媒体の一つにすぎないと思います。その意
味で、「書籍」と「Web」は同レベルの概念であるというのが一般的な認識だ
と思います。だからこそ、 Webを紙媒体の置き換えだとしか考えられない人た
ちが出てくるのだとも思います。

媒体の違いは、その特性の違いにより、それらを構成する要素も異なってきま
す。たとえば、 Webで言うページと書籍 (本) で言うページは似て非なる概念
です。その一方で上で挙げられている「段落」とか「見出し」とかいうのは文
書の構成要素であるため、その文書が掲載される媒体によらず一定のセマンテ
ィクスを持ちます。

そんなわけで、アクセシビリティを考える人たちが重視しているのは、文書の
構造です。媒体の持つ特性も考慮すべきですが、その部分はプレゼンテーショ
ンの制御ということで、文書構造とは分離すべき部分です。


> 逆に書籍イメージが適用できないページ作成を想像できないんですよね。

「書籍」と「文書」が同義であるという考え方をされていれば、それは想像で
きないでしょうね。
私も「文書」のイメージが全く適用できない コンテンツはあまり想像できま
せん。 (が、あり得ないとは思っていません。) しかし、繰り返しになります
が、「書籍」はあくまでも一つのメディアですから、そのメタファを別のメデ
ィアであるところの Webに適用できるとは思えません。


> 中根さんのお話になっている動画や Flashの問題は
> 動画や Flashから情報を得る問題
> 
> 僕が話するのは作る問題です。

「作る問題」というのが具体的にどういうことを差し手いるのか、よろしけれ
ばお教えいただけませんか。

> アクセシビリティは技術ではなく、技術を活用できる情報整理術だと思うの
> ですよね。

その両方だと考えます。

> 情報整理されていれば、どんな環境でも利用可能。
> 
> 成り立ちませんかね?

「情報の整理」という言葉の定義が曖昧なので分かりませんが、「セマンティ
クスが適切に記述されているコンテンツを作る」という意味ならば、そして技
術的課題が全て解決されているという前提であれば成り立つかもしれません。

中根雅文