Re: MacromediaWebアクセシビリティセミナー



In reply to Yoshiyuki Mihara <mihara1@xxxxxxxxxxxxxxx>'s message:

美原様、石川です。

> あと,企業の方が「アクセシビリティを充実させることはビジネスチャンスでもあります」と言っていました.こういうのを聞くと,白けるのはボクだけでしょうか?障害者の方にも見やすいWebページを作るのは当たり前のことだと思うんですけどね.

パネラとしてマクロメディアのセミナに参加しましたが、最後に言おうと思って時間
の関係で言えなくなったことが一つあります。
それは、持論の「配慮の平等」ということです。
よくみんなおっしゃる、思いやりとか優しさという視点は、ちょっとナイーブな感覚
ですよ、という話です。
それよりはビジネスチャンスというクールな言い方のほうが私は好きです。優しい私
たちというポジショニングより、私たちはビジネスチャンスと思って取り組んでいる
というポジショニングのほうが企業として当たり前のことをしているという感覚に近
い気がするからです。もちろん厳密には、たとえビジネスチャンスでないとしても、
当然取り組まなければならない、という言い方が正しいと思いますが。
また、ボブ・リーガンは当然すべきことというスタンスを一貫して保持しており、ア
メリカではどのように述べるのが適切とされているのかをうかがいしることができま
した。
セミナーでは英語→←日本語の通訳サービスが提供されました。
この種のサービスを、サーバー側=主催者からクライアント側=参加者への思いやり、
優しさと言ったら参加者はみんな怒るでしょう。
それとウェブアクセシビリティは同じなんですよ、と最後に言いたかったのですが。
ところがなぜか同じできないことでも、障害者とか高齢者のできないことにも配慮し
ましょうという話になるとこの国ではかならず上記のような言説と感覚が出てきます。

日本では思いやりという言い方のほうが賛同されやすいという計算もあってみなさん
おっしゃっていると思いますが、障害者基本法にしても国連の障害者権利条約にして
も思いやりというようなものでなく平等に扱われる権利ということがその趣旨です。
このメーリングリストにも、アクセシビリティを思いやりの一種と思っている方と、
当然すべきこと=インターネットに参加しそこから利益を得る権利の平等という視点
を持っておられる方がいらっしゃるでしょう。
私は後者の視点を共有していただきたいと思います。
先に議論のあった画像認証のようなバリアはじつは権利の侵害なのだということを後
者の立場からは言うことになります。前者では、もうちょっと思いやってください、
ということになります。この違いはじつはとても大きいです。





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石川准

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