情報共有を進めるために



中根です。

ここのところの投稿の多さに驚きつつ、みなさんの発言を読ませていただきい
ろいろと考えています。本当は細かくリプライしたい内容も多いのですが、
ちょっと時間がとれないので、ここでの議論を受けて考えていることを書きま
す。とは言っても、別に新しいことはなにもなくて、 NAP設立当初から私や一
緒に NAPをやってきてくださったみなさんが言っていたことなのですが。

一言で言えば、「情報共有の更なる促進が必要である」ということだと思いま
す。そして、共有されるべき情報としては以下のようなものがあると思います。

* 多様な障害に関する情報
  + 障害そのものに関する正しい理解
  + ニーズの理解
  + Web (やその他のコンピュータ・ネットワーク技術) のアクセシビリティ
    に関連する問題の理解

* 技術的情報
  + 支援技術の現状
  + Web製作に当たってのテクニック (その手法、背景、利点、問題点などな
    ど)
  + 実装/製作の良い例、悪い例

* その他
  + WCAGや JIS X 8341-3 などなどの背景にある考え方などの理解

他にもいろいろとあると思いますが、特に重要なものとして、上のような内容
を思いつきました。

さて、私はこのメーリング・リストに投稿される内容などを、メーリング・リ
ストのメンバーだけでなく、多くの人が読むことで、アクセシビリティについ
て考えてもらえる機会が増えればいいと考えています。ですから NAPでは、設
立当初からメーリング・リストへの投稿は全て Web上で公開してきましたし、
アクセス手段は多い方がいいだろうと考えて RSSフィードをつけてみたりもし
ました。こうすることで、議論を常に追いかけていたい人にとっては比較的容
易にそうすることができる環境ができているのではないかと思います。

しかし、更に考えると、議論の過程も重要ですが、その結果としてどのような
結論 (や結論めいたもの) が生み出されたかということが、見やすい/分かり
やすい形でまとめられているとなお良いのだろうという気がします。また、議
論をするまでもなく明らかな事実、というようなものもあるでしょうが、その
ような情報もやはりきちんとまとめられていると便利だと思います。情報を持っ
ている人がちゃんとした文章を書いて、それをどんどん Webに掲載していく、
ということができればベストなのだと思いますが、それでは執筆する人も、
Webを管理するのも結構大変であまり現実的ではなさそうです。そんなことを
あれこれ考えていたのですが、それならいっそのこと Wikiを使ってみたらど
うか、と最近なんとなく考えています。

ご存知でない方もいらっしゃるかもしれないですが、 Wikiは、簡単に言えば
任意の閲覧者が、どのページでも自由に編集したり、新しいページを作ったり、
削除できたりするシステムです。 (といっても私もあまり経験がないので、こ
れ以上のことはよく分かっていないのですが。) Wiki系のシステムで、私の周
りでそれなりに使われている (らしい) PukiWiki のサイトの
http://pukiwiki.org/index.php?PukiWiki 
あたりを見ていただけると、もう少し想像できるかもしれません。

PukiWikiに関しては、使えるようになるためには、少し覚えないといけないこ
ともありますが、それほど難しいものではありません。また、初期状態ではリ
ンクがやたらとたくさんあるページが生成されて、スクリーン・リーダーの 
ユーザにはちょっと使いにくいかもしれないですが、このあたりはカスタマイ
ズでどうにでもできそうな印象です。

ということで、より良い情報共有実現に向けて、その方法 (Wikiは使えるか、
あるいは他にいい物があるか) 、その必要性などについて、ご意見をいただけ
ると幸いです。

中根雅文