Re:知的障害者への配慮



茨城県教育庁 総務課 教育情報化推進担当 鈴木啓之です

最初にお詫び申し上げますが、所属のグループウェアの仕様で
スレッドが切れてしまいます。ゴメンナサイ m(_ _)m

渡辺・中根さんのおっしゃることには全面的に同意いたします。
> 知的障害の場合,認知や理解といった情報処理過程の問題ですので,
> どう対応すべきかは,大変難しいと感じています.
> (中略)知的障害の場合,ユーザビリティだけではとても
> 対応できないと思います.
中根さんは書きました
> 1. 知的障害と言ってもきっと多様だと思いますが、
>    障害そのものに対する理解が低い
> 2. だから技術的な部分で何が解決できて、
>    何が解決できないのかもよく分かっていない

その上で、いくつかの論点を申します。
確かに、現在の教育現場では"生理的/単純知的発達障害"は少なく、
障害像が多様な上に、肢体不自由を主とする様々な程度の重複障害児の
割合が一層高くなっています。
そうではありますが、先週の文科省の教育の情報化に関する統計を見ると
養護学校では、圧倒的にタッチパネル/ソフトキーボードの導入が
多いことなどは、どのようにアクセスを保障するかの方向付けが見えてきます。
(本県もそうです)

平成13年度の資料ですが、障害児教育の情報化における茨城県の取組みを紹介します
コンピュータ利用の手引き表紙
http://www.edu.pref.ibaraki.jp/board/gakkou/tokusyu/jigyou/siryou/jyouhou/hyousi.pdf
コンピュータ利用の手引き本文
http://www.edu.pref.ibaraki.jp/board/gakkou/tokusyu/jigyou/siryou/jyouhou/siryo.pdf
実践事例
http://www.edu.pref.ibaraki.jp/board/gakkou/tokusyu/jigyou/siryou/jyouhou/jyouhou.htm
コンピュータ活用事例は、知的障害児向けが圧倒的に多いことに注目して下さい。


(さて、napではなく、webのメーリングリストですので、以下の私の発言は
X8341-3に、そう離れない方向でがんばります)

「5.4.b ハイパーリンク画像・・・」
不満があります。代替情報については「ハイパリンク先の内容が予測できる」
代替情報の提示を求めているのに、肝心の「ハイパーリンク画像」自体が、
飛び先の内容や、踏んだときの効果に関する情報を何ら保障していません。
知的障害児が、Webコンテンツを利用しようとする場合、
アイコンや画像ボタンの意味や効果について特別な学習を必要とするのは酷です。
ここでは、「ハイパーリンク画像自体も、直感的具体的に、効果や飛先の内容が予測できる」
という縛りをもうけていただきたいと思います。

その他、4.3.a/cを具現化するための、視聴のための訓練や学習を要しないための
工夫を織り込んで欲しいところです。例えば
会場マイクで私が申しました
「『5.3.iの誤操作の復元手段の確保』を保障するには、利用者の操作の
内容や結果が、直ちにフィードバックされることを前提にする必要がある」
という発言も、現在の職場で(電子教材作成のマニュアル案として)素案を
作っている文書での知的障害児(者)向けの配慮4:
「児童生徒の行った操作や入力の結果が、即座に児(者)にフィードバック
されることが望ましい。その際、単に正解不正解ではなく、操作と結果の
因果がわかるような提示を行うことが望ましい。」としているのを受けての発言です。
(操作の内容や結果が直ちにフィードバックされるのは、情報の視聴漏れの
不安をかかえてアクセスする感覚障害児(者)にも恩恵があると考えています)

(他の条文でも、苦情がありますが、これを書くのに仕事をだいぶサボりましたので
この辺で)
茨城県教育庁 総務課
教育情報化推進担当
鈴木 啓之(ひろゆき)
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