Re: E&C



小田@東京女子大学です

    >> 共用品といえば、奈良市の福祉課の課長が「すべての人に
    >> 有用でなければねえ」という発言に少し引っかかるのですが、どう思
    >> われます?文字つき公衆電話の配置についての要望にたいしての意見
    >> でした。

    >> すべての人を満足しうるものって、完璧な人間を求めるのに似た気が
    >> するのだけど…

このような考えに出会ったときに良く例に出されるのが、歩道と車道の境目に
ある縁石じゃないかと思います。車いすの利用者にはない方が、視覚障害者に
はあった方が良い。車いすにとっては、段差が移動のさまたげになり、視覚障
害者にとっては、それが歩道と車道の境目を足で確かめるためのランドマーク
になる。縁石の方向で道路の方向も決定できるので、重要な目印になっている
というわけです。

この例は、すべての人に共用という理想は現実的には実現不可能な場合がある
ことを良く表しています。

障害があったり、高齢だったりするだけで、利用できないデザインは、できる
だけ減らしてという方向を示したのが、共用デザインや uninversal design 
の考え方であり、すべての人に共用でなければ意味がないという無理難題をお
しつける規制ではないはずです。

開発段階でデザインに含めることでコスト減を図り、より多くの人に使えるよ
うにしていかねば、日本のように高齢者が急増している社会では、使えない製
品やサービスばかりになりかねない。2つ製品があって、どちらかがより利用
できる人口が多ければ、コストにもよるけれど、そちらを採用する。そして、
次第に利用者の幅を広げていく。

それだけのことじゃないですかね?

その課長さんは、すべての人に使えなければ、どうするというんでしょうか?
より多くの人に使えるものを次善のものとして採用するだけじゃないですかね?
すべての人に使えなければ、より少ない人口しかサポートしない製品やサービ
スを選択するんでしょうか?それは、ナンセンスでしょう。

障害者や高齢者だって、税金はらっているんですから、同等のサービスを受け
る権利がある。より多くの納税者がなっとくするように動くのが、この課長さ
んの仕事ですよね。

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