Re: plan for next workshop



みなさん こんにちは
富士通東北海道の池田です。
若林さん
>もし、このようなアクセシビリティに関連する製品の開発などをされている
>方がいらっしゃるのでしたらぜひともお話を伺いたいと思います。
>開発に関しては機密などがあり公開は難しい面もあるかと思いますが
>実際の事例がPRされれば、対応していこうという雰囲気がでてくると思います。
アクセシビリティに関しては、中根さんも言われているように
「どのような問題が「アクセシビリティ」に関わる部分だと考えるか」
と言うことがあります。
一言でアクセシビリティと言ってもそれが、どのような分野、どのような人を
対象とするかで大きく違って来るものと思われます。
その上で、具体的な事例を元に議論を進めることは有効だと思います。

私はこれまで、10年近く主としてアクセシビリティソフトの開発に携わって
来ましたが、正直な所、どこまでがアクセシビリティの確保で、どこからが
製品特性としての機能かは明確に区別することはできません。
>正直なところエンジニアの間ではアクセシビリティなる言葉はまだ通じな
>いのが現状と思います。
通産がアクセシビリティ指針を公表してから、もう10年近くになりますが
まだまだ、その啓蒙は十分ではないようですね。
確かに、PR不足と言う点もありますが
アクセシビリティと言う概念が一部の障害者にのみ適用されるものといった
考え方が一般に浸透していかない原因の一つになっているのではないかと思われます。
アクセシビリティに限らず、障害者に関することがらは一般の人の中にはなかなか
浸透していかないものです。
また、障害者の側においても、アクセシビリティと言う言葉は十分に
認知されていません。

実際、アクセシビリティと言う概念を広く解釈すればけして障害に限ったものでは
ないと思います。
ちょっと極端な例かも知れませんが
私の母親(60才)はビデオデッキを使う才に
操作パネルやボタンに書かれている文字や記号について
いつも文句を言います。
老眼鏡をかけないと小さな文字が見えないと言うのもあるんですが
眼鏡を持って来てようやく文字が見えるようになっても、今度はボタンの表示が英語や
アルファベットの略称で書かれていて意味が判らないと言うのです。
何で再生ボタンに”PLAY”なんて書いておくんだ、
録画だって”REC”なんて書いてあるし、これじゃ見たって意味が
わからないじゃないか
再生なら”再生”、録画なら”録画”って書いておけばいいのに。
と言うものです。
録画予約の日付や時刻設定の時の”DATE”や”TIME”についても同じことを
言っています。
もちろん、そうした表示が日本語なされている製品もありますが、実際、ユーザーが
購入する場合には、価格が有線されてしまうことも事実です。

ようするに、文字が判るように書かれていても、その意味がユーザーによっては
理解できないものであった場合、アクセシビリティに関して問題があるものと言う
考え方ができます。

高齢者に対するアクセシビリティを考える場合、こうした点にも十分配慮することが
必要かと思われます。

>拝見したところ、なかなかまとまっております。
>日ごろ技術開発を商売としているものとしてアクセシビリティを考慮した製品
>がどんどん出てくるためにはどうすべきか、私見を述べさせていただくと
>
>1、このHPのように、どのような点に気をつけるべきかの指針および実現例の紹介
>2、必要な技術が、比較的容易に組み可能な形で使用できること
>3、これらの技術が無償もしくは低価格で手に入ること
若林さんが指摘されたこの3点は非常に重要なことだと思います。
ただ、気をつけなければならないのは、
公開されている事例などについて、それが多くのユーザーに支持されるかどうかと
言うことです。
また、施策品としての有効性と製品としての有効性については
必ずしも一致しないと言うことも十分考えておかなければなりません。
かつて、利用者からの要求に従って必要、あるいは有効とされる機能を
どんどん取り込んで作られたシステムがありましたが、いざ製品として出された時には
ほとんど評価されなかったと言う事例がいくつもあります。
我々、技術屋はどうしても、機能面に目がいってしまいがちですが
実際、製品として流通させる場合には、その機能だけでなく、
その機能を利用するためのコストやユーザーの置かれている環境なども十分に
考慮した上で問題解決をはかっていく必要があります。

>どのようにして、アクセシビリティの技術を開発し、流通させていくか
>なども考えないと指針だけで終わってしまい世の中は変わらずということに
>なりかねないと思います。
通産や郵政が掲げたガイドラインが総ての問題を解決できるものとは思いませんが
すくなくとも、そこに書かれているようなことがらが
具体的な形となり、必要とする人の手元にとどくよう
みんなで智恵を出し合っていけたらいいと思います。

それでは また
             (株)富士通東北海道システムエンジニアリング
                   システム部第一システム課
               池田敬一
                       電話 0155-21-6411
                       NIFTY-ID NAD00322
                      E-MAIL:ikeda@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx