Re: 聴覚障害者はどうやって 救急車を呼ぶか?



横田さん、こんにちは。歓迎メッセージありがとう。ユーディットの関根です。

>6月にシャープを卒業し、12月に生駒のソフト屋さんに再就職となりました。
>(この不況下、よくみつかったなあって気もする)
おめでとうございます!ほんと、よかったですね。

>最近、商品化を進めていただいている会社の方から、聴覚障害関係者との話し合い
>によれば「ほとんどの人は文字通信ができる携帯電話やポケベルで満足しており、
>会話をするならECOTにする」とのことで売れるか判らなくなってきたとのこと。
>私も一緒に同席すれば、底の浅い意見を論破し、売り込みもできたはずなのですが。
>携帯電話やポケベルはone way 、音声通話に多重するDTMF方式はinteractive 
>を安価に実現しうる点が認識できてなかったようです。
>(この辺の説明の仕方ってむずかしいものですね)
なかなか苦労していらっしゃるようですね。

携帯やECOTでも、たしかにろう者同士、または1対1のコミュニケーションは
かなりとれるとは思いますが、一般的な情報保障にはまだほど遠いものがあります。

先日、Comjapanの会場でさまざまな障害者に展示会のアクセシビリティを
モニターしていただくという企画を行なったのですが、やはり最も
情報摂取に苦労したのは聴覚障害者でした。手話通訳はいない、
筆談では時間がかかる、補聴器は会場の大音響でこわれる、という
状態で、モニターの方はしばらく頭痛がおさまらなかったようです。

健常者向けの会だから、最初から情報機器の展示会にはいかない、
行かないからそのニーズがわからず、結果として機器開発が
遅れる、というのが、今の聴覚障害者向け機器の状況ではないかと
思います。音声認識の聴覚障害者向けコミュニケーションエイドの
開発は、絶対必要だと思って、気合を入れて提案書を書いたのに、
その重要性が大学の先生たちには理解されず、没になってしまったのです。

もちろん、他の障害にかんしても、会場、展示、内容のアクセシビリティは
万全では有りません。情報摂取のための展示会で、情報摂取ができないという
矛盾は、多くの障害者のフラストの原因になっています。

最も情報を必要とする人々の声や要望を、形にし、企業や国に伝えて行く
努力が必要だと、初仕事で痛感しました。

>少なくとも現状では救急車を「どこでも」確実に呼べる手段はいまだに用意されて
>ないといって過言ではありません。私は過去2回ファクスで呼んだのですが、
>2回目は住所が判らず(救急車搭載の地図が古い&ファクス転送が行われて
>なかった)、私に聞かずに周辺に聞いたりして10分も待たされたのでした。

聞こえない方への配慮を救急体制、防災体制の中で確保して行く
努力はこれから必須だと思います。がんばってください。

株式会社ユーディット(情報のユニバーサルデザイン研究所)
代表取締役社長 関根千佳
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