知的障害者への配慮 (was Re: 研究会 盛況でした ね でも(少し失望 ))



鈴木啓之 様,

東女の渡辺です.

遠くから来ていただいたのに,
「(少し失望)」させてすみませんでした.(笑)

知的障害に対する配慮が欠けているというか対応が遅れているのは,ご指摘の
とおりだと思います.
JIS X 8341-3にしろ,WCAGのガイドラインにしろ,知的障害に対しては,
対応できていないです.

視覚障害や聴覚障害は,視覚や聴覚という感覚器官が利用できないわけなので,
他の感覚を利用して情報を取得できるように配慮する方向で考えています.

知的障害の場合,認知や理解といった情報処理過程の問題ですので,
どう対応すべきかは,大変難しいと感じています.
しかし,難しいからといて放置すればよいというわけではないですね.

ユーザビリティの議論を楽しみにしておられたのは,ユーザビリティに配慮し
てあれば,理解しやすいサイトになっているはずだからでしょうか?
しかし,知的障害の場合,ユーザビリティだけではとても対応できないと思い
ます.


On Mon, 2 Aug 2004 17:57:50 +0900 (JST) 
鈴木 啓之 <hi_suzuki@xxxxxxxxxxxxxxxxxx> wrote:

> 茨城県教育庁 総務課 教育情報化 推進担当 鈴木啓之と申します
> 
> 土曜日の研究会の方に参加させていただきました。
> 関係者の並々ならぬ熱意を感じました。ありがとうございます。
> 
> さて、今回のJIS制定に関しては、梅垣さんのお話では
> ビジネスになる/(私見:プレッシャー団体としても強力な)視覚障害者
> のアクセシビリティ向上がメインとのことでした。
> 
> 知的障害児向きには、4.2で規定されず、4.3推奨要件で満たすほかないが
> それも、認知障害や学習障害といった群が主な対象で、知的障害児を
> どうするという視点に欠ける気がします。
> 例えば、知的障害児ににその精神年齢に合わせた電子教材や子供向けの
> Webページを閲覧させるだけで、彼/彼女らのアクセシビリティは
> 確保できるのか? という点も気になります。
> (というか、アクセイシビリティとユーザビリティの議論を楽しみに
> 茨城を朝6時に出て、はるばる参加しましたが、時間がなくて残念でした。)
> 次回を楽しみにしています。
> =======================
> 
> しかしながら、教育現場での状況は、就学する全障害児の78%
> (茨城県の公開統計による)が知的障害児/重複障害児で、
> 視覚障害児は2.5%以下です。75条学級の在籍・通級者には
> 感覚障害児が多いのですが、在籍・通級者は特殊教育諸学校に比べると
> 1/6以下の児童生徒比に過ぎません。
> 感覚障害者/身体障害者は、疾病や損傷により障害区分者が増えてゆきますが
> 知的障害は、学校教育が修了すると、収容施設などに入るケースが多く、
> 障害者手帳の実数以上に大規模な無言の集団となっています。
> 
> (最も社会進出の遅れている群だけに、Web技術の恩恵も高いと思われます)
> ==================================
> 例えば、「先進学習基盤協議会」ですら、
> 「eラーニング・サービスのためのアクセシビリティガイド」に
> 「高次機能障害者」の困難と方策の欄を設けています。
> ===================================
> 茨城県教育庁 総務課
> 教育情報化推進担当
> 鈴木 啓之(ひろゆき)
> 〒310-8588 水戸市笠原978-6
> 電話029-301-5128/ ファクシミリ 同 5139
> mailto:hi_suzuki@xxxxxxxxxxxxxxxxxx
> 
> 

-- 
WATANABE Takayuki <nabe@xxxxxxxxxxxxxx>
東京女子大学現代文化学部