医薬品のネット販売規制



中根です。

すでにWeb上のメディアを中心に報じられていますのでご存じの方がほとんど
だとは思いますが、インターネット上での医薬品の販売が大幅に規制されよう
としています。この件、Internet Watchの以下の記事 [*] にもあるのですが、
多くの人にとって不利益をもたらすように感じます。

* MIAU、医薬品のネット販売締め出しは“逆デジタルデバイド”
    http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/12/11/21839.html

「薬害を防ぐという観点からは、安易な販売を規制するべきだ」という声があ
るようです。確かに安易な販売は規制されるべきですが、それはインターネッ
ト上に限ったことではなく、薬局の店頭やコンビニであっても同じです。逆に、
「安易ではない販売」については、インターネット上であるかどうかにかかわ
らず規制されるべきではないでしょう。

インターネットで販売すると必ず安易な販売、ということになるのであればこ
のような規制も理解できますが、私はそんな単純なものではないと思います。
上述の記事にも、聴覚障害者が店頭で購入するよりも適切に情報を得られる、
という例が紹介されていますが、これは視覚障害者にとっても同じことだと個
人的経験から感じます。私はしばしばケンコーコム (http://www.kenko.com/) 
というサイトから医薬品を購入しますが、この店の場合、用量用法、服用に当
たっての注意点などもテキストで表示しています。ですから私は自分自身でこ
れらの重要な情報にアクセスし、納得できるまでしっかりと読むということが
できます。対して店頭での購入では、店によってはこちらが全く目が見えない
ことは一目瞭然であるにもかかわらず、こちらが質問するまで用量用法を教え
てくれないなどということは日常茶飯事です。そして、口頭での説明を記憶す
るのと、テキストで提供されている情報を必用に応じて何度でも参照できるの
と、どちらがより間違いが発生する可能性が低いか、それは考えなくても分か
ることではないでしょうか。

この規制に対する賛否は人それぞれいろいろな考えがあることでしょう。しか
し、まずは多くの人にこのような事実を知ってもらうことが必用だと考えてい
ます。そして、この問題について真剣に考えておられる方とともに、可能であ
れば何らかのアクションを起こしていきたいとも考えています。

中根雅文