Re: PDF accessibility



関根@ユーディットです。長いです。
加美山さんに呼ばれていたのですね。すみません、
このところ、岩手、秋田と巡業続きで。。。

TC協会のUD関係者の間でも、PDFのアクセシビリティは大きな問題と
認識されています。わたしは会員ではないのですが、よく呼んで
いただいています。ここで、何年も、アクセシビリティの確保の
ために、カタログや取扱説明書のWeb化を説き続けてきました。

いくつかの企業でその動きがあり、いいことだと思っていたのですが
問題はそのほとんどが、PDFで情報開示を始めてしまいそうなことです。

例えばソニー米国では今年の秋から、日本は来年から、取扱説明書を
WebでそれもPDFで公開することを予定しています。USでは朗報ですが
日本では却って困ることになりますね。

なぜPDFがよく使われるか。
1、簡単である・・・・ほとんど読みこめばいいだけ
2、イメージ通りにできる・・・要するにスキャンされたイメージだし
3、見た目がとってもきれい・・デザイナーが作ったカタログそのもの
4、ヘンに加工される心配がない・・著作権の心配がない

企業が電通や博報堂などに何百万もかけて、デザインした素敵なカタログを
そのままスキャナーで読んで、電子的にはりつけたようなもんですから、
見た目がきれいなのは当然です。へたなWebデザイナーが作ったものより
ずっと訴求力があったりします。また、登録フォームなども非常にきれいに
印刷できるので、これを出力して手書きで送る、という作業はユーザーに
割と好まれます。Web上のフォームに入力するより、一般人にはうけるのです。

しかし、見た目はきれいでも、使いやすいかどうかは別物です。
伊藤さんのコメントにあったように、スクロールが頻発し、
弱視やマウススティックユーザーでなくてもかんしゃくを起こしたく
なります。

たとえば、通産省のアクセシビリティ指針がPDFで出されていますね。
これは、一瞬はきれいね、と思いますが、実際はすごく読みにくいです。
結局は印刷してしまいます。
http://www.miti.go.jp/kohosys/topics/
ここのトピックスの医療・福祉にあります。

やはり、アクセシブルなWebで作成しないと、誰もが読めるようには
なりません。同じモノを、濱田氏が作りました。
http://www.jeida.or.jp/document/kokoroweb/guide/guide.html

アドビにも電話してみましたが、文字化けの件も、作成時に
「文字の埋め込み」でフォント環境に依存しない、というオプションを
選んでおかないとだめなんだそうです。だったらなんでそれをデフォルトに
しないんだと詰め寄ったのですが、数の論理だそうで、押し切られて
しまいました。UDがわかってない。

わたしも自分ではあまり作成したことがなく、もっぱら読むほうなので、
このあたりの技術的な問題、高山さんに教えてほしいですね。

USではPDF対応のJAWSもあるのにね。これは加美山さんからの情報です。
http://www.hj.com/NewsCommentary/AdobePR.html

HPRやVEGAは対応しないのかなあ?

株式会社ユーディット(情報のユニバーサルデザイン研究所)
Universal Design Institute for Information Technology(UDIT)
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代表取締役 関根千佳
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