Re: 提供する側の立場と利用 する側の立場
- To: nap@xxxxxxxxxxxxxxxxx
- Subject: Re: 提供する側の立場と利用 する側の立場
- From: Eiichi ITO <ito@xxxxxxxxxxxxxxxxx>
- Date: Tue, 09 Mar 1999 12:01:23 -0800
- X-mail-count: 00111
伊藤@スタンフォード大学CSLIです。
海外から日本を眺めていると日本がかなり特殊な事情のある国である事が
良く分かります。逆に特殊であるがために海外の例えばアメリカとか北欧
のような施策やサービス形態をそのままコピーしたのでは役に立たないと
感じます。
この不況下に於いても、完全?な自由経済の国と、完全?な福祉国家(経
済的には厳しいという事ですが)への日本から大挙して雪崩込む視察が横
行していますが本当に必要なのは日本自身をもっと見つめてみる事ではな
いかと思います。
まあ、それはともかく...
At 00:43 99/03/10 +0900, you wrote:
> もっといえば、障害者用の機能を追加するためにコストもかかるわけです。
障害者専用の物を作るという視点では多品種少量生産となる訳ですから、
コストがかなり掛かってきます。しかし、障害者専用ではなくすべての
人に使いやすい物を作るという視点であれば、多くのコストが掛かった
としても大量に製造(販売)できるものであれば単品当たりのコストは
それほど掛からないのではないでしょうか?アップルのイージーアクセ
スやMSのユーザー補助機能は、双方とも完璧ではないですがある程度
のユーザーにとっては役に立っているという事で評価できるますし、そ
れが別売ではなく基本システムに組み込まれている事が重要です。
ただ、残念な事は様々なニーズを有するユーザーが居て、彼らのニーズ
を完全に解決できない事は解って(と思いますが)いても、サードパー
ティなどと協力して、それらを少しでも解決しようという動きがあまり
活発ではない事と、やはり「市場占有率(独占?)」への力が働くのか
良いアイディアをコンソーシアム的な共同事業として開発したり、製品
の情報提供(様々なインタフェースを開発するためには、それなりの情
報が必要なのですが...)が十分ではないように思います。
ユニバーサルな物の必要性を説いても、日本のメーカーさんの多くは、
自社規格ってのが優先するようで、なかなか難しいですね。
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Eiichi ITO The Archimedes Project
Center for the Study of Language and Information
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