RE: 郵政のアクセシビリティ指針
- To: nap@xxxxxxxxxxxxxxxxx
- Subject: RE: 郵政のアクセシビリティ指針
- From: 池田 敬一 <NAD00322@xxxxxxxxxxx>
- Date: Wed, 18 Nov 1998 17:53:00 +0900
- X-mail-count: 00044
みなさん こんにちは
富士通東北海道の池田です。
>薗部さん
>しかし、みなさん、ご感想はいかがですか、、、、
>うーーん(^^;)とわたしの胃はキリキリと痛むのですが、、、うーーん
>「望ましい」ねえ
私の感想としては、
「まあ、こんなものだろうな」といった所です。
実際に係わって来られた方の口惜しさはよく判ります
たとえ「望ましい」と言う単語が使われなかったとしても、
それ以上の表現は望めないでしょう。
それでも、
この指針が直接的に強制力を持たなかったとしても、
こうした指針が出されたことで、
この先、郵政省管轄で情報通信設備を発注する組織や団体が
発注仕様の中にアクセシビリティと言う言葉を使うための根拠の一つには
なるんじゃないでしょうか。
実際、そうした仕様で発注してくれるかどうかは?ですが。
通産が指針を出した時だって、それによってメーカーが積極的に動きだした
訳ではないし、逆に指針がなかったからといってアクセシビリティ関連の製品が全く
作られていなかった訳でもありません。
ようするに、この手のものって、何かの時にアクセシビリティを持ち出す際の根拠を
明確にするためのもので役所の免罪符的な使われ方はよくするけど、我々障害者の
役にたってくれるものとは性質が違うような気がしています。
一般的には、こうした指針を参考にしてメーカーがデザインや機能を考えるように
思われているようですが
実際、やる気のあるメーカーは自前で調査・研究を進めており、指針に
挙げられるような事柄についてはよく知っていますし、それ以上の情報やデータを
持っています。(あまりあからさまにすると指導、監督する立場の役所の立つ瀬が
なくなっちゃうので恭しく聞いていますが)
逆に、あまりやる気のないメーカーはこうした指針を見て、自前の製品に少しでも
どこか該当する所はないかと探します。
そんな訳で、こうした指針は直接メーカーに働きかけるものではなく、
メーカーにとってユーザー(お客様)になるべき団体や組織が参考にして
製品やシステムを発注していくべきかと思います。
残念ながら、今この国でアクセシビリティをやっても
メーカーにとってはほとんどメリットがありません。
アクセシビリティを考慮した製品やサービスを提供したからといって
売上が上がる訳でもないし、他社に対して商談が有利になる訳でもない
逆にコストが上がる分、競争力を落とすことになります。
高齢者向けとして考えれば、マーケットは大きなものになるなんて幻想を言う人も
いますが(私もしばしば数字のマジックに使ってますけど)
基本的にお年寄りはあんまり物を買わないし、お金のかかるサービスも
受けたがらないのが実情。
おそらく、高齢者100万人のマーケットよりも、若者10万人のマーケットの方が
売上は大きいんじゃないかと思われます。
結局の所、アクセシビリティ製品て言うのは再三が合わないため、
なかなか製品とかサービスとして世に出て来ない訳です。
採算性とは関係のない研究部門なんかでは
けっこういろいろなものが作られてるんですけどね。
なんだかんだ言って、メーカーを動かすには
何らかの形で{飴と鞭」が必要です。
今はそうした飴も鞭も無い状態ですから、我々がどんなに不便さを訴えても
なかなか反映されて来ない訳です。
更に残念なことには今の所、お役所なども
障害者自身、あるいは高齢者自身が直接利用するものではなく、
障害者や高齢者を支援する人達が便利になるような形でシステムやネットワークを
考えているようです。
梅垣さんが書かれていたように
行政のWEBページが、たとえ福祉やボランティアにかかわるものであっても
アクセシビリティを考慮していないと言うのは、それを見る対象として
障害者や高齢者を想定していないためでしょう。
(もしかしたら、もともと見る人のことなんか考えてなくて、自分の部署が
ホームページを持っていると言うことにのみ意義を感じているのかも知れませんが)
実際の話、
担当者によっては
「我々健常者でさえインターネットを使うのは難しいのに障害者やお年寄りが使える
はずないじゃないですか}なんて言う人もいますからね。
これは、全く間違えでもありませんが、
障害者や高齢者の中にもインターネットを使える、使っている人もいる(数は
少ないけど)と言うことを知らしめていく必要もあります。
と言う訳で、お役所とか、公共団体とか、大学さんなど
メーカーにとって大切なお客様が積極的にアクセシビリティを考慮したシステムを
導入して飴玉をばら蒔いてくれれば、いずれは、エンドユーザーである我々の所にも
そうした製品が回って来るのではないかと期待しています。
それでは また
(株)富士通東北海道システムエンジニアリング
システム部第一システム課
池田敬一
電話 0155-21-6411
NIFTY-ID NAD00322
E-MAIL:ikeda@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
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