関根の本「誰でも社会」へ 発刊
- To: nap@xxxxxxxxxxxxxxxxx
- Subject: 関根の本「誰でも社会」へ 発刊
- From: Chika Sekine <csekine@xxxxxxxxxxxxx>
- Date: Wed, 23 Oct 2002 23:35:29 +0900
関根です。岩波から本を出すことになりました。別MLに
流れたものを転送します。落ちこぼれSEの成長記という読み方も
できるし、ITアクセシビリティこの10年を振り返ることに
なるかもしれませんし、UDの入門書としても読めます。
Webや字幕、教育やUIのUDについて、電子自治体や科学技術の
将来についても触れてあります。11月末ですが、よかったら
ぜひ読んでみてください。よろしくお願いいたします。
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IWANAGA Taizo さんのコメントを転送します:
小社新刊の紹介でたいへん失礼します。岩波書店編集部の岩永泰造です。
実はこのMLでもみなさんよくご存知の関根千佳さんが小社より下記の本を
11月22日に刊行する予定です。
関根さんが日本の行政や企業に幅広く働きかけながら、ユニバーサルデザインの普
及に尽力なさっているのは周知のことと思います。(http://www.udit-jp.com/)
この本はユニバーサルデザインとは何か、なぜいまの日本に必要とされているか、
関根さんの豊かで深い体験から浮き上がらしてゆきます。これほど生きいきと、ひと
つのコンセプトや思想を伝えてくれる原稿は私の編集した本のなかでもそれほど多く
はありません。
また、この本が魅力的なのは、関根さんという個性がさまざまな人との出会
いを通して成長してゆく物語でもある点で、それが読む者をぐいぐいと引き込んゆき
ます。
この本をより多くの読者に読んでいただければと願っています。みなさんに書評
を含めて、パブリシティにご協力いただければ幸甚です。
確実にパブリシティが可能な方がいらっしゃれば下記の岩永宛にご連絡ください。
資料等の手配をさせていただきます。
なお本をご注文なさりたい方・他の読者に知らせたい方のためのこの本のチラシは
下記URLからダウンロードできます。
http://www.iwanami.co.jp/agora/pamp01.pdf
ネットでの注文は
http://www.iwanami.co.jp/
で11月22日以降に可能です。
本の紹介---------------------------------------------------------
メインタイトル: 「誰でも社会」へ
サブタイトル: デジタル時代のユニバーサルデザイン
関根千佳(せきね/ちか)著
著者紹介---------------------------------------------------------
長崎県佐世保市生まれ。1981 年、日本IBM入社。1993 年より日本IBM SNS センター
を開設し高齢者・障害者のIT利用を支援。98 年、株式会社ユーディット〈情報のユ
ニバーサルデザイン研究所)設立。以来多くの省庁や自治体のユニバーサルデザイン
に関する委員会に参画。企業や行政、団体等のアクセシブルなWeb構築や、デザイン
の初期段階から多様なユーザーが参加するものづくりへのコンサルティングを行って
いる。UDNJ(Universal Design Network Japan)理事長。美作女子大講師、金沢大学非
常勤講師。
本のキャッチ---------------------------------------------------------
あなたは、自分だけは老人にはならないと思いますか?
高齢化が急速に進行する日本社会では、身体機能の低下が誰にも確実にやってくる。
これからのもの・ひと・社会づくりはITを活用しながら「誰でも」使え、「誰で
も」参加できるユニバーサルデザインがキーとなる。その最前線での体験を基に「こ
れからのユビキタス社会」のもの・ひと・社会づくりを提案する。
本の構成・目次---------------------------------------------------------
はじめに
第1章 こころのネットワーク
コンピュータ嫌いのシステムエンジニア/アメリカで出会った人々/社長へ直訴して
SNSセンター開設/SNSセンターと「こころWeb」/出会ったハイパーな人々
/指先二ミリでこころを伝える/起業に至るまで/ベンチャーとして起業してみて/
SOHO社長とハイパー社員たち
第2章 これで大丈夫? 日本という国
SOHO企業のユーウツ/バーチャル企業のリアルな制約/これでいいんかい、国の
委員会/ITへの拒否感の底にあるもの/世界最高齢国日本に必要な研究開発とは/
日本のマスコミは好きじゃない/こんなに違う教育のユニバーサルデザイン障害を持
つ学生の高等教育 各国事情/田園都市的SOHOライフ/あなたの老後の楽しみは
?/人がまちを作り、まちが人を創る
第3章 ユニバーサルデザインという考え方
「ミスター・アベレージ」って誰のこと?/ユニバーサルデザインの七原則/バリア
フリーとユニバーサルデザイン/本当はパソコンって使いにくくないですか?/日本
のデジタルデバイド/米国リハビリテーション法五〇八条の衝撃/情報アクセシビリ
ティ指針のゆくえ/あなたのためのデザイン/情報のユニバーサルデザインの流れ/
ユーザーインターフェースについて
第4章 ユニバーサルデザインを創り出す
車椅子マークのない日本へ/ユーザーに教わる姿勢を基本として/ユニバーサルデザ
インのものづくり携帯電話やPDAをシニアに評価してもらって/障害者やシニアの
目から見える携帯電話の死角/ユニバーサルデザイン七つの誤解/ホームページを誰
でも使えるように/テレビの字幕を支えるもの、阻むもの/ユニバーサルデザインを
どう教えるか
第5章 「誰でも社会」へ
闇の中で見えてくるもの ダイアログインザダーク/人間を幸福にしないITという
社会/あるアメリカ人科学者の思い出/わたしの尊敬する人々/デジタルからクリス
マスの贈り物/ユビキタスネットワークに求められるもの/e-Japanに市民が
求めるもの/「誰でも」が主役の世界へ
おわりに
本文より---------------------------------------------------------
その頃である。ユニバーサルデザインという考え方に出会ったのは。健康な成人男子
だけでなく、最初から女性や子供、高齢者や外国人、さまざまな障害やニーズを持つ
人が使いやすいように、まちやものをデザインするという考え方だ。私は驚いた。そ
して、ものすごく嬉しくなった。そうだよ、なんだ、簡単なことじゃないか。最初か
ら、「誰でも使えるように」考えて作ればいいんだ。
後から機能を付加しようとするから、時間もかかるし、高くなる。買えるユーザー
は限られてしまう。出た頃にはもう時代遅れになっている。一年で七年分進むという
「ドッグイヤー」のIT社会にとって、この遅れは致命的だ。障害者が職場で孤立す
る危険性もあるし、高齢者が地域の話題に入れなくなるかもしれない。IT産業も、
このユニバーサルデザインの考え方を取り入れるべきだ。最初から、おたくの若者だ
けでなく、機械が苦手という女性にも、子供にも、シニアにも、ちゃんと使えるもの
でなくちゃ。市場だって広がるし……(本文より)
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判型 46上製カバー 264頁
定価(本体1800円+税)
ISBN4-00-023752-7 C0036
連絡先---------------------------------------------------------
岩永泰造
101-1002 岩波書店編集部
iwanaga@xxxxxxxxxxxxx
03-5210-4046/03-5210-9435 (FAX)
株式会社ユーディット(情報のユニバーサルデザイン研究所)
Universal Design Institute for Information Technology(UDIT)
(UD国際会議2002 12月開催予定)
代表取締役 関根千佳
csekine@xxxxxxxxxxxxx(ML専用)csekine@xxxxxxxxxxx(仕事はこちらへ)
Tel 045-989-5173 FAX 045-989-5133