Re: 肢体不自由向け WEB アクセス支援システム



中根です。

伊藤さん、情報ありがとうございます。

Proxyを使った変換というアプローチは随分前からあり、私自身はあまりこの
アプローチが好きになれない傾向にあります。 (なぜ好きになれないかという
ことを書き出すと長くなりそうですし、おまけに自己矛盾を生み出す結果にな
ってしまうようなこともありそうなので、今回は省略。気が向いたら今度じっ
くり書いてみますが。)

ただ、今回ご紹介いただいたものの面白い、というか、これまでにない点は、
これまでの proxy は基本的に出力結果を変えることによってアクセシビリ
ティを高めようというものであるのに大して、このシステムの場合は入力イン
タフェースを改善することを目的にしている点ですね。 proxyを通して出力を
変えるというのはいかにも当たり前な気がするのですが、入力手段を変えてし
まうというのは非常に新しい印象を受けました。

さて、 proxyで実現することによってクライアント側で特別な処理が必要ない
というのはそのとおりだと思うのですが、本来はスタイルシートのような仕組
みで入力手段のデフォルトを情報作成者が定義し、クライアント側でユーザが
定義したものを用いて必要に応じて変更できる形が必要なんだと思います。出
力に関しては HTML+CSS や XML+XSL+XSLT といった形で柔軟性の高い出力制御
が実現されつつありますが (勉強不足でどの XMLの方はしっかり仕組みを理解
していませんし、どの程度のことができるかもちゃんと把握できていません
が)、入力/対話のためのインタフェースもこのような形で制御できるような仕
組みを確立する必要があるように思います。

XHTMLでどうなっているかは分かりませんが、 HTML 4.01 ではマウスの状態や
押されたキーによって動作を規定するための機能が組み込まれています。しか
し、これらの機能はマウスやキーボードといった特定の入力ディバイスを前提
とした機能です。本来は、同様の機能が音声入力やペン入力であっても実現で
きるような枠組みが必要なんだと思います。現在 W3C で device 
independence というテーマの議論もされているようですので、今後こういう
方向での仕様策定や製品開発が進むことも期待できるかもしれません。

中根雅文


On Tue, 27 Nov 2001 16:02:43 +0900, Eiichi ITO wrote:
> 伊藤@神奈川リハセンター です。
> 
> 肢体不自由者向けのWEBアクセス支援システムが試験公開されて
> います。
> 概要としては、中継してくれるサーバーに工夫があり、リンクを
> 一定時間毎にスキャンします。目的のリンクなどにフォーカスが
> あたっている時にキー(どれでも可)をちょんと打鍵するとその
> リンクへ飛びます。ダブルクリックのようにすると逆走します。
> 
> ユーザー側のシステムには大掛かりな改造などがいらないため、
> 将来このようなシステムがいろいろなところで使われて行くよう
> になるかもしれません。ちょっと違った思想のシステムです。
> 
> 
> >「肢体不自由者用インターネットアクセス支援システム」
> >インターネットで試験公開中!皆さんで試してご意見下さい。
> >http://enabler.systemsoft.co.jp/
> >
> 
>     _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
>         Eiichi ITO    Kanagawa Rehabilitation Center
>                  ito@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
>            [ http://www.sfc.keio.ac.jp/~e-ito/ ]